日本分類学会連合第13回シンポジウムのお知らせ
- 「生物多様性条約と名古屋議定書が分類学研究分野へ与えるインパクト ~ とくに国内措置について~」
- 2010年に名古屋で生物多様性条約の第10回 締約国会議が開催され,名古屋議定書が採択されました。生物多様性条約といえば,その名称通り,野生生物の保全のための環境条約であると考えておられる方が多いかも知れません。しかし,この条約は「生物遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な分配(ABS)」を目的とする経済条約でもあるのです。そして,名古屋議定書には,この利益の分配に実効性をもたせようという意図が読み取れ,外国の法令に従わずに海外から標本やサンプルを日本国内に持ち帰ると,日本国内の法律等によって処罰される可能性が 出てきました。現在,環境省が「名古屋議定書に係わる国内措置のあり方検討会」を設置し,意見をとりまとめようとしています。
- 本連合に加盟の各団体には,海外に調査や標本採集によく行っておられる会員の方が少なくないと思います。その一方で,ABS問題とは何なのか,名古屋議定書とは何なのかは,あまりご存じない方が多いのではないかと拝察します。しかし,これらをよく理解していないと,処罰されて研究ができなくなってしまう可能性さえあるのです。
- そこで,分類学者にとっての生物多様性条約,ABS問題,名古屋議定書などの理解を深め,日本の国内措置が分類学者に求める対応を,法律や ABS問題の専門家もまじえて議論するために下記のシンポジウムを企画いたしました。ぜひ多数のご参加をお待ち申し上げます。
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- 記
- 時:2014年1月11日(土)13:00~17:30
- 会場:国立科学博物館(上野本館)講堂 (入場料無料)
- プログラム
- 13:00-13:45 分類学分野の研究者にとってのABS問 題とはどのようなものか
- 村上哲明(首都大学東京)
- 13:45-14:30 研究拠点としての植物標本室と海外でのフィールド調査
- 邑田仁(東京大学)
- 14:30-15:15 わかりやすい法的解釈と解説(仮題)
- 磯崎博司(上智大学)
- 15:15-15:30 休憩
- 15:30-16:15 名古屋議定書と分類学:その問題点と解決案
- 安藤勝彦(製品評価技術基盤機構)
- 16:15-17:00 国内措置の検討状況と今後の課題
- 炭田精造(バイオインダストリー協会)
- 17:00-17:30 想定問題に基づくQ&A
- 世話役・司会:奥田徹(玉川大学学術研究所)・村上哲明(首都大 学東京)
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